5歳児健診の内容は?自閉症の息子にやらせてみた結果

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地域によっては、5歳児健診があるというのを知っていますか?

 

平成17年に施行された発達障害支援法を受け、発達障碍の早期発見を目的に、5歳児健診を行う自治体が出てきたのです。

 

とは言え、1歳半健診や3歳児健診とは違い、5歳児健診の実施は任意なので、「まだ行われていない」という地域はとても多いです。

私が住む地域も、5歳児健診は行われていません。

 

そこで今回は、5歳児健診の内容を紹介!

4歳で自閉症スペクトラムと診断された息子に、5歳児健診の内容をやらせた結果どうなったのかもレポートします。

5歳児健診の内容

5歳児健診の内容は、厚生労働省のHPに記載されています。実際に5歳児健診を行っている鳥取県の内容がモデルです。

 

健康診査問診票

まず、5歳児健診開催日の前に、健康診査問診票が保護者と保育士に送付されます。

この内容は、5歳児健診が対象となる5歳0ヶ月~5歳6ヶ月までの子供の達成度が高い項目になっています。

 

5歳児健診前に行われる健診診査問診票については、以下の記事に詳細をまとめています。

5歳児発達の目安は?発達障碍と定型の差を数字で解説!

 

まずは、簡単な問診を行い、「平均の発達に比べて遅れはないか」をフィルタリングします。

 

会話による問診

5歳児健診当日は、医師が直接子供の診察を行います。会話や質問など、いくつかのやり取りを見て、子供の発達段階や、発達障碍の可能性についてみていきます。

 

まずは、会話によって、子供の言葉の理解度や発達段階をチェックします。

 

会話による質問内容は以下の通りです。

 

  • 名前、所属の保育所・幼稚園、その組の名称、担任教諭や保育士の名前を尋ねる。
  • 保育所・幼稚園の給食で一番おいしいを尋ねる。
  • 母親の料理で何が一番おいしいと思っているかを尋ね。
  • その料理について、保育所のものと母親のものとどちらがおいしいか尋ねる。(もっと具体的に「カレー」はおいしいか?という尋ね方にすると、より答えやすくなります)
  • 保育所・幼稚園で誰とよく遊ぶか、その遊びはどんなものであるかを尋ねる。

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

動作模倣

動作模倣とは、簡単に言うと「真似っこ」です。

子供に模倣させることで、器用さや模倣力、協調運動ができるか、指示を聞いて理解し動けるかなどをチェックします。

 

以下が、動作模倣に良く使われる内容です。

 

  • 模倣;手を横に挙げる、手を挙げる、手を前に挙げる
  • バランス;閉眼起立、片足立ち(左右)
  • 指のタッピング(母指と示指)
  • 前腕の回内、回外運動
  • 左右手の交互開閉(グーとパーを交互に行わせる)

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

物の用途を聞く

5歳児にとって身近な物について、その用途を質問します。

物の用途を聞くことで、言葉の理解(受信・発信)や、知的発達をチェックします。

 

以下が物の用途を聞くのに良く使われる内容です。

5歳児にはやや難しいレベルに設定しており、5つ中3つ以上正解すれば送れなしと判断します。

 

  • 靴ってなにするものかな?
  • 帽子ってなにするものかな?
  • お箸ってなにするものかな?
  • 本ってなにするものかな?
  • 時計ってなにするものかな?

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

比較概念を聞く

比較概念とは、反対語、対義語のことを指します。

物の用途同様、言葉や知的な発達をチェックします。

 

以下が比較概念で良く使われる内容です。内容は4歳児理解レベルに合わせているそうです。

 

  • お父さん(お母さん)は大きい、赤ちゃんは?
  • お湯は熱い、氷は?
  • 夏は暑い、冬は?
  • 石は固い、タオルは?

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

左右の理解を見る

一般的に5歳の段階で左右の認識ができると言われています。

この項目では、左右が理解できているかのチェックと、左右を使った質問文で、文章の理解力や記憶力、集中力もチェックします。

 

左右の理解の内容は以下の通りです。

 

  • 右手をあげてください。
  • 左手をあげてください。
  • 右手で右目を隠してください。
  • 左手で左耳をつまんでください。
  • 右手で左目を隠してください。
  • 左手で右耳をつまんでください。

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

安静閉眼で落ち着き度を見る

幼児は良く動くのが通常ですが、5歳頃には一定時間、体を動かさず静かに制止できるようになります。

安静閉眼では、目を閉じて一定時間動かないよう指示し、行動党勢力をチェックします。

 

安静閉眼のやり方は以下の通りです。

 

  1. 手をひざに置かせて、よーいはじめの号令にて眼を閉じさせる。
  2. 指示例「手はおひざにポン。先生の眼をよく見て。これから先生がいいよというまで目を開けちゃあダメだよ。がんばれるかな?じゃあ、よーいはじめ」

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

ジャンケンやしりとりでルールの理解を見る

ルールを理解して遊びができるかをチェックし、発達段階を見ます。広く知られるジャンケンとしりとりが使われます。

 

じゃんけんの勝ち負けは5歳児の90%が理解、しりとりは70%が理解していると言われています。

両方できない場合は、改めてルールを教えて、理解の程度を見た方が良いでしょう。

 

ひらがなを読ませる

ひらがな2文字の単語を3つ用意し、5歳児に読ませます。

 

これは、ひらがなの理解を見るテストではありません。発達に凹凸がないかのスクリーニングになります。

 

多くの子供は、しりとり遊びを先に理解し、ひらがなが読めるようになるのはその後という順序で理解を深めます。

ひらがなをスラスラと読むのに、しりとりのルールが理解できない、あるいは、しりとりは得意なのに、文字の認識が全くできない場合、得意不得意の差が大きく、場合によっては発達障碍の可能性も疑われます。

 

自閉症スペクトラムの息子に5歳児健診の内容をやらせてみた

さて、上記に記載した5歳児健診の内容を、4歳の時自閉症スペクトラムと診断された息子にやらせてみましたよ。

最近息子はお勉強ブーム、クイズブームなので、割と喜んでやってくれました。

 

会話による問診

  • 名前、幼稚園、その組の名称、担任教諭の名前を尋ねる→
  • 幼稚園の給食で一番おいしいを尋ねる→×(わかんない)
  • 母親の料理で何が一番おいしいと思っているかを尋ねる→×(全部と答える)
  • 幼稚園のものと母親のものとどちらがおいしいか尋ねる→×(わかんない)
  • 幼稚園で誰とよく遊ぶか→(2人お友達の名前が出る)
  • その遊びはどんなものであるかを尋ねる→×(わかんない)

や、やっべーぞ。2個しか答えられなかったよ。

 

動作模倣

  • 手を横に挙げる、手を挙げる、手を前に挙げる→
  • バランス;閉眼起立、片足立ち(左右)→
  • 指のタッピング(母指と示指)→
  • 前腕の回内、回外運動→×(やはり不器用…)
  • 左右手の交互開閉(グーとパーを交互に行わせる)→

おお!?結構できてるぞ!

 

物の用途を聞く

  • 靴ってなにするものかな?→(外に行くとき履くもの)
  • 帽子ってなにするものかな?→(頭にかぶるもの)
  • お箸ってなにするものかな?→(食べる時使うもの)
  • 本ってなにするものかな?→(読むもの)
  • 時計ってなにするものかな?→(何時か知りたい時見るもの)

やったね!全問正解!

言葉の理解は4歳後半からぐんぐん伸びている息子です。

 

比較概念を聞く

  • お父さん(お母さん)は大きい、赤ちゃんは?→(小さい)
  • お湯は熱い、氷は?→(冷たい)
  • 夏は暑い、冬は?→(寒い)
  • 石は固い、タオルは?→(やわらかい)

これも全問正解!

タオルについては少々自信がなさそうだったけど、でも正解です。

 

右の理解を見る

  • 右手をあげてください→
  • 左手をあげてください→
  • 右手で右目を隠してください→×(左手を上げて左目をつぶっていた)
  • 左手で左耳をつまんでください→
  • 右手で左目を隠してください→×
  • 左手で右耳をつまんでください→

左右の理解は完璧だけど、「目を隠す」という動作のイメージが上手くできなかった様子。

左手を上げ、左目をつぶっている様子は、なかなか間抜けで可愛かったです。

 

安静閉眼で落ち着き度を見る

これは完璧!

なぜならば、息子が通う幼稚園は立腰を取り入れていて、毎日目を閉じて背筋を伸ばし、一定時間ジッとするという取り組みを年少からずっと行っているからです。

 

ジャンケンやしりとりでルールの理解を見る

これも完璧。勝負事が好きな息子です。

ジャンケンもしりとりも、4歳の時にマスターしました。

 

ひらがなを読ませる

これもバッチリ。

ただし、ひらがなを習得したのが3歳前半で、しりとりを習得したのは4歳になってからです。

定型の子供とは順序が逆で、しかも少々期間が開いています。やっぱり息子の発達は独特です。

ちなみに、既に小5の娘は、3歳で文字の習得をするのとほぼ同時に、しりとりも理解していました。

 

こうして見ると、息子は案外5歳の基準を達成している部分が多いです。

その理由は、恐らく4歳後半から言語能力が急成長し、今や月齢以上の理解度に達しているからだと思います。

 

また、5歳児健診では手先を細かく使うような検査が殆どありません。

息子の凹んでいる部分は、器用さなので(とにかく超不器用。神経の発達ものんびり)、5歳児健診の内容にはあまり影響が出ていないだけなんだろうな。

 

ちなみに、上記は息子が5歳1ヶ月の時にやらせた結果です。

 

息子の診断は「自閉症スペクトラム・知的境界領域」ですが、ここ1年で成長し、恐らく次は知的が外れる…ことを期待しちゃいます。

 

5歳児健診の内容があまりにもできない時の対処法

興味本位でお子さんに5歳児健診の内容をやらせてみた結果、「あれ?あまりにもできない…」となる可能性もあります。

この場合、どのように対処したら良いのでしょう。

 

厚生労働省のHPでは、5歳児健診で「指示が通り辛い」「落ち着きがない」「集中力がない」「会話がちぐはぐ」などの所見が見られた際は、次のような質問を行うと示されています。

 

母親に対して、「変わったくせ」がないか、「思いつくとやらずにはいられないか」などを尋ねる。

例えば

  1. テレビの場面やコマーシャルを極端に怖がったり、あるいは逆に極端に好んだりする。(例;天気予報が大好きで一日に何回も見るなど)
  2. 狭いところでブツブツいいながら一人あそびを好む。
  3. 数字や平仮名が、とても早い時期から読める。(「しりとり」ができるよりも相当早くから)
  4. 親に対してもとても丁寧な言葉を使う。
  5. 方言を使うことが少ない。
  6. 目の前にいる相手の気にしていることを平気で指摘したりする。
  7. 初めてあった大人でも、ものおじせず話しかける。
  8. 目の前にあるものに触らずにはいられない、といったことがよくある。
  9. 食事の時などじっと座っていられない。
  10. 思いつくとしゃべらずにはいられない、といった感じがある。
  11. 遊びであっても根気が続かないと思うことがある。
  12. 公園や大きなお店で迷子になったことがある。

引用:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04a.html

 

これらの質問は、子供の特性を見る目的で行われます。

1~7までの項目は、コミュニケーション力が弱い子供に良く見られる傾向です。

8~12は、多動で注意力散漫な子供に良く見られる傾向です。

 

ただし、5歳児健診の結果やこれらの質問は、発達障碍の有無を判断する程のものではなく、参考程度にとどめるのが基本です。

 

息子が自閉症スペクトラムと診断されているからわかるのですが、発達障害の診断は、手順を踏んで、然るべき専門医を受診し、医師が診断するものです。

しかも、同じ専門医でも、医師が違えば診断が変わる可能性があるのが発達障碍。

 

わかりやすいバリバリの特性があれば別ですが、わかり辛い発達障碍と、定型との境界線は明確ではありません。

 

だから、5歳児健診の内容を子供にやらせて、仮に「いくつかできない」という場合も、慌てないでくださいね。

個人差の範囲内である可能性も高いのですから。

 

それでも「どうしても気になる…」というならば、自治体の相談窓口や、療育センター、医療機関に問い合わせをしてみましょう。

 

子育ての悩みは、1人で悶々と考え込んでも出口は見えません。

 

専門家に相談するのが、最も手っ取り早い方法です。

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