4歳の息子が受けた田中ビネーVの内容と結果

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私の息子は自閉症スペクトラム。現在5歳の年中さん。

息子に自閉症スペクトラムの診断が下りたのは、昨年4歳の冬でした。

 

発達障碍の診断方法は様々ですが、発達検査を行われるケースはとても多いです。

 

そこで今回は、息子の診断基準となった田中ビネー知能検査Vの内容を解説し、4歳の息子が受けた時の様子と結果もレポートします。

 

個人的に、この検査には色々とツッコミしたいことがあるんです!

 

※田中ビネーなどの発達検査は、練習をしてしまうと子供の正確な能力が計れなくなってしまうので注意しましょう。

田中ビネー知能検査Vとは?

田中ビネー知能検査Vとは、日本独自の知能検査で、対応年齢が2歳から成人までと幅広く、様々な場面で行われています。

と言っても、生活に困難さがなければ、まずお目にかかることはないでしょう。私自身、田中ビネー知能検査を受けたことはありません。夫も娘も然りです。

 

田中ビネーVは、日本ならではの文化や生活に則った内容になっています。

それに加えて、数の概念や記憶力の問題も含まれていて、知能と生活の総合的な能力が測れます。

 

年齢階級別の問題内容は、多くの子供たちをモニタリングすることで、「〇歳位の子供がこれくらいできる」と、年齢に比例して正解率が上がる問題を探しています。

 

問題内容は、1歳級、2歳級…と、年齢別に階級が分かれています。

各階級で1つでも間違いがあれば、1歳下の問題を取り組み、1つの年齢級が全問正解になるまで、どんどん階級を下げていきます。

一方、各階級で1つでも正解があれば、1歳上の階級の問題もチャレンジし、全問正解になるまで階級を上げていきます。

 

田中ビネーVではIQを出すことができ、数値によって知能を測ります。

 

  • 田中ビネーVの平均IQ:100
  • 健常領域IQ:80以上
  • 知的境界領域IQ:71~79
  • 軽度知的障碍IQ:70~51
  • 中度知的障碍IQ:50~36
  • 重度知的障碍IQ:35~21
  • 最重度知的障碍IQ:20以下

 

田中ビネーVは2歳から検査可能ではありますが、言葉の理解が必要な検査です。

内容的には理解出来ていても、検査をする心理士の指示が理解できない場合、実際に持っている本人の能力よりも低い結果が出てしまうこともあります。

 

なので、必ずしも田中ビネーVの結果が100%診断を左右するとは限らないのかもしれません。しかしながら、大きな参考値になることは、間違いないでしょう。

 

4歳息子が受けた田中ビネーVの内容と結果

では、実際に田中ビネーVでは、どんな知能検査が行われるのでしょうか。私がこの目で見たものをレポートしていきましょう。

 

息子はTHE!凹凸君です。

できることとできないことの差がものすごーいことになっています。

 

そのため、田中ビネーVでは、3歳級から始めて、なんと1歳級まで遡り、更には5歳級までやる羽目になりました。

 

長かった…。

 

ということで、この目で見た検査は1歳級から5歳級まで。その内容と結果をレポートします。

 

田中ビネーV:1歳級の内容と4歳息子の結果

  • :チップ探し
  • ×:犬探し
  • :身体各部の名称
  • :語彙(物)
  • :積み木つみ
  • :名称によるものの指示
  • :簡単な指示に従う
  • :3種の型のはめ込み
  • :用途によるものの指示
  • :語彙(絵)

 

詳細はネタバラシになっちゃうので割愛しますが、いくつかの検査は1歳半健診でも行われているものです。

 

息子は犬探しのみ、できませんでした。

3つある同じコップの内の1つに犬を入れて、動かさずに「犬はどこ?」と聞きます。当然犬を隠す場面をきちんと見ているのに、息子は全く違うコップを持ち上げていました。

 

う~む、これはできると思うんだけどなぁ…。

もしや、あまりに簡単すぎて「何か仕掛けがあるのでは?」と裏を読んだのかも…。

 

家に帰ってから、紙コップで全く同じようにして、息子に出題してみましたが、見事正解しましたよ。

 

なんだ、やっぱりできるんじゃん。

 

田中ビネーV:2歳級の内容と4歳息子の結果

  • ×:動物の見分け
  • :語彙
  • ×:大きさの比較
  • ×:2語文の復唱
  • ×:色分け
  • :身体各部の指示
  • :簡単な指図に従う
  • :縦の線を書く
  • :用途による物の指示
  • :トンネル作り
  • :絵の組み合わせ

 

息子ができなかった項目のみレポートします。

 

・動物の見分け

動物が複数描かれたシートがあり、シートに描かれた動物と全く同じ動物のカードが用意されています。

心理士さんが最初に「動物を同じ場所に置きます」と言って、シートで描かれている同じ動物の絵の上に、カードの絵を重ねます。

 

息子は、最初渡された動物を正解の位置に置きました。そして、心理士さんをチラッと見ました。

心理士さんはもう一度「同じ場所に置いてください」と言いました。

 

これがいけなかった…!

 

息子は、この指示を「心理士さんが最初に置いた場所と同じところに置く」と理解してしまったようで、渡されたカードを全て、心理士さんが最初に置いた絵の上に置いてしまいました。

 

ああ…言葉の意味の理解が甘いー!本当はできるのにー!

 

・大きさの比較

これは、3歳児健診でやる項目です。1つの髪に大きい丸と小さい丸が描かれていて、「どっちが大きい?」「どっちが小さい?」と、カードをクルクル回転させながら心理士が聞きます。

これ、息子は100%できるんです。大小の理解はもうずっと前にできていました。3歳児健診の時もできていました。

 

ああ、それなのに!!!

 

この時点で既に1時間経過、すっかりダレている息子はやりたくないアピールのために「全て逆を指す」という抵抗を試みたのです…。

 

そう。全問不正解。わかっているからこそできるやつですよ。

でも、そんなことは考慮してもらえません。容赦なく「大小の比較」には×がつけられてしまったのでした。

 

・2語文の復唱

短い2語文を心理士さんが言って、「真似してください」と指示を出します。恐らく短期記憶を見ています。

しかし、息子は真似っこが苦手&やりたくないモード全開中。

言えると思うんだけど、指示に対して無言で答えていました。当然×でした…。

 

・色分け

これは、色々な色のおはじきのようなものが複数用意されていて、「同じ色同士分ける」という指示をされるという内容です。

 

息子は色の概念もしっかりしています。

だけど、心理士さんからの指示の意味が、イマイチ掴みかねていた様子。

最初は指示通り綺麗に色分けしていたのに、不安になってまたもや心理士さんをチラ見。何も言ってくれないで不安になったのか、ぐちゃぐちゃにしてしまいました。

はい。×です。惜しいなぁ…。

 

ということで、2歳級で×がついたものは、本当はできる能力を持っているはずのものなんです(なんか言い訳臭いけど)。

でも、検査のタイミングや、不安な気持ちがあると、できなくなっちゃうんだなぁ…。

 

田中ビネーV:3歳級の内容と4歳息子の結果

  • :語彙
  • ×:小鳥の絵の完成
  • ×:短文の復唱
  • ×:属性によるものの指示
  • ×:位置の記憶
  • :数の概念(2個、3個)
  • ×:物の定義
  • :絵の異動弁別
  • ×:基本的生活習慣の理解
  • ×:円を描く
  • ×:反対語

 

うわ…。4歳で受けてるのに3歳級が半分もできていない…。

 

息子ができなかった項目の詳細は以下の通りです。

 

・小鳥の絵の完成

小鳥の絵が描いてあるけど、一部分だけ線が欠如しています。それに気付いて、適切に線を描けるかの検査です。

息子はよれよれの線だけど、一応つなぐべき場所に線をつなげています。

でも、あまりにヘロヘロなのがダメだったのか、×の判定でした。厳しいなぁ…。

 

・短文の復唱

そのまんま、心理士さんが言った短文を復唱する検査です。これは、本気でできない様子でした。

 

・属性による物の指示
・物の定義
・基本的生活習慣の理解
・反対語

これらは、絵を見せて「〇〇は何するもの?」と聞いたり「〇〇したらどうする?」「火は熱い、じゃあ氷は?」などと質問したりする検査です。

この頃の息子は、質問に答えるのが苦手。「はい」か「いいえ」で答えられる程度の質問しか理解できない状態でした。

だから、殆どの質問で黙り込んでいました…。もちろん×でした。

 

・位置の記憶

これも、短期記憶の検査だと思います。

3両の積荷が連結された汽車のおもちゃが出てきて、それぞれに動物の人形を乗せます。その汽車を心理士さんがトンネルに通して、「最初に出てくるのは誰?」と質問します。

これも、息子は本気で出来ていない様子でした。意外だったなぁ…。

検査しなければわからない弱点って、結構あるんだなぁとしみじみ思いました。

 

・円を描く

紙に円を描きます。

息子はへなちょこだけど、一応始点と終点は繋げることができました。

私としては合格にしてあげたいところ。

でも、結果は×でした…。やっぱり厳しいよ…。

 

田中ビネーV:4歳級の内容と4歳息子の結果

  • :語彙
  • ×:順序の記憶
  • ×:身体機能の理解
  • ×:数の概念(1対1の対応)
  • ×:重宝家の組み合わせ
  • ×:反対語

 

息子が4歳級の検査項目で〇だったのは、語彙のみでした。その他の項目は全部×。

でも、惜しいところもあったんですよ。

 

・順序の記憶(3歳級の上級版)

これは、3歳級で×だったので、できるはずがないですよね…。

 

・身体機能の理解
・反対語

言葉での質問に答えるのがとことん苦手な息子は、やはり無言でした。

 

・長方形の組み合わせ

三角形が2個だされて、それで四角を作るという検査です。

はい。できません。全然できませんでした。

 

・数の概念(1対1の対応)

これは、本当に惜しかった!というか、多分理解はしているんです。

ただ、言葉の指示の理解の方が追い付かなくて、途中まで正解しているのに、心理士さんが無反応だから不安になって、やめちゃうんだよなぁ…。

 

数の概念は4歳の頃から年齢以上の理解があると感じている私です。

ただし、こういった言葉のやり取りでの検査になると、能力が全然発揮できないとうのは、もう、本当に勿体ない!

 

田中ビネーV:5級の内容と4歳息子の結果

  • ×:数の概念(10個まで)
  • ×:絵の不合理
  • ×:三角形模写
  • ×:絵の欠如発見
  • ×:模倣によるひも通し
  • ×:左右の理解

 

5歳級は全部×です。ただ、これも「惜しい!」というのがありました。

 

・数の概念(10個まで)

実は、4歳3ヶ月の段階で、日ごろ接していて数の概念は10まであると確信していた私です。

検査も、やはり途中まで正解をやるんですよ。でも、やっぱり心理士さんが無反応だから、やめちゃうんです。

 

見ていて非常にもどかしい!!!

 

心理士さんがオーバーアクションで「正解!」とかやってくれたら、もう少し良い結果が出たんだろうなぁ。

でも、恐らく田中ビネー知能検査Vは、心理士さんの質問の言葉まで細かく設定されているような気がします。

 

・模倣によるひも通し

これは、心理士さんが先にビーズを15個くらい繋げた見本を作り、それを見ながら同じものを作るという検査です。

実は、これすごーく惜しかったんですよ。

最初、息子は偶然手に取ったビーズを通してしまったんです。その後「あ、見本と同じものを作るんだ」と気付いた息子は、最初のビーズを入れたまま作業に入ってしまいました。しかも、キレイに見本通りにひも通しできたんです。

 

ああ!最初のビーズを入れていなければ正解だったのにーーー!!!

 

その他の項目については、当時の息子ができなくて納得の内容でした。

でも、今の息子なら、半分は〇が貰えそう。

言葉の理解が進んだから、数の概念は大丈夫だろうし、左右もきちんとわかっています。

 

田中ビネーVを受ける4歳の息子を見学した感想

というわけで、4歳の息子が受けた田中ビネーVの検査では、4歳なのに1歳級から5歳級までできないこととできることがあるという、物凄い凹凸の結果が出てしまいましたよ。

 

総合すると、息子はこうなりました。

 

検査時の息子の月例:4歳3ヶ月

検査結果における精神年齢:3歳2ヶ月

知能指数:IQ75

 

まぁ…1歳級まで遡った上に、できないものがあったのですから、この結果は致し方なしですよね…。

 

でも、息子がもう少し集中力を持ってやっていたら、数値は違ったんじゃないかなぁ。わざと間違った大小の区別が〇だったら、どれくらい数値が上がったんだろう?

 

見学して、「本当になんだか色々惜しいぞ!」と思いました。

 

私が思うに、田中ビネーVは、問われている能力如何よりも、言語の理解を求められているように感じます

心理士さんが話す内容が決められていて、一定の表現しかできず、それが理解できないと、別の表現で説明されればできるものでも結局×となってしまう…。

息子も能力的にはありそうなのに、説明の理解ができず×というのがいくつもありました。

 

それから、検査長過ぎっ!

 

まぁ…発達の凹凸が少なければ、ここまで長時間やることもなかったのでしょうけど…。

でも、もし5歳級のひも通しや数の概念が〇だったら、更に6歳級をやらされてたわけでしょー。そしたら2時間コースだよ。

 

定型の4歳児でも、2時間集中力持たないよねぇ…。

むしろ、良くぞ息子は1時間半も耐えて頑張ったと褒めてあげたいです。

 

しかし、これも1つの結果として受け止めるべきでしょう。

心理士さんによっては「理解出来ていても、検査で答えられないならば、それが実力」と、厳しいお言葉をくれる方もいらっしゃるようです。

 

田中ビネー知能検査Vは、小児神経科医のオーダーの元、心理士さんが行いました。

この後、検査の結果を踏まえて、息子の担当医との診察があり、そして診断の流れとなりました。

その時の詳しい話は、下の記事を読んでください。

息子が自閉症スペクトラムと診断されるまで…体験談語ります!

 

これが、今から約1年前の出来事です。

先日、約1年ぶりに田中ビネーVの発達検査を受けてきました。

その時の様子は、下の記事を読んでくださいね。

5歳自閉症の息子の発達検査!田中ビネーVの内容と結果予測

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コメント

  1. keyce より:

    基本的にこの手の検査は、質問方法や速さ・使う言葉など標準化されているものです。「家ではできるのに」は、初対面の人とのやり取りができる事を基準にしているので、評価されません。社会性があるかどうかが重要なのです。質問方法が違ったり家でできるなら、語彙が増えるとか、人と接することに慣れると数値の上がる子もいます。

    1. Mori より:

      おっしゃる通りですね。
      いつもは出来る、こうしてくれたら出来る…は定型発達の子含め誰でもにあり得ることです。それを言い始めたらIQ130〜140のお子さんなどでも本来ならもっと高い数値がでることでしょう。

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