自閉症児の母から見たグッドドクター!第3話の感想

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私の息子は、グッドドクターの湊先生と同じ自閉症スペクトラムです(サヴァンではないけど)。だから、グッドドクターは興味深く観ています。

 

でも、回を追うごとに、湊先生の自閉症特性とは全然関係ない話になっているような…。

我が子が自閉症児だからこそ、グッドドクターには違和感を持たずにおれません。

 

今回は、グッドドクター第3話の感想を語ります(あらすじは他のサイトでいくらでも見つかるので、これからは割愛しちゃいますよ)。

グッドドクター第3話は、もはや自閉症と無関係の話…

グッドドクター第3話は、自閉症の湊先生の行動で、最終的には話がうまく落ち着きました。

湊先生がカギとなった行動は次の通りです。

 

  • 美結ちゃんの服を縫い直した
  • 美結ちゃんの母親が作ったカードを探して修繕した
  • 服とカードをご両親に渡しに行った
  • 夏美先生に「悲しいです」と訴えることで、医者も人の心を持って良いのだと気付かせた

 

(ちなみに、美結ちゃんが運ばれた時と手術中に、サヴァンの記憶力を発揮して的確な発言がありましたが、結局助けるには至らなかったので、あえてカギとしての行動に入れていません)

 

これらの行動は、一応自閉症の特性からくる行動とも言えます。

とびぬけた観察力と記憶力、そして、思ったことをそのまま口に出し行動する、ちょっとアスペな部分。

人の気持ちを裏まで読まないからこそとれた行動と言えます。

 

だけど、これって定型で、熱い志を持った新米医師がやってもおかしくない行動ですよね。

 

医療ドラマでは、しばしば医師が思いを爆発させ暴走し、それによって患者との関係が良い方向、あるいは悪い方向に行くというのは、ありがちなストーリです。

ベテラン医師の助言を振り切るというのも、自閉症だろうが定型だろうが、やる人はやりますよね。

 

そこを、さも「自閉症の湊先生の純粋さ」みたいな演出をされると、「えー?なんかちがくない?」と思ってしまうわけです。

 

確かに、自閉症の息子は、まだ5歳というのもあり、純粋過ぎる程純粋で、思ったことを口にして周りを和ませてくれます。

自閉症の人って、比喩が苦手で言葉の意味をそのまま受け取る特性がありますが(そうじゃない自閉症の人もいますよ)、だからこそ、表現がストレートで、それが上手い具合に作用すると、相手の気持ちを掴むんですよね。

 

でも、純粋な気持ちって、やっぱり自閉症とか発達障碍とか関係ないと思うんですよ。

 

今回、たまたまうまい具合にいきましたけど、「ほぼ手遅れの状態ならば、あえて体にメスをいれない」という間宮先生の判断は、場合によっては最適な道だった可能性だってあるんです。

(まぁ、間宮せんせいは損得勘定やリスクを考える医師というキャラ設定の様ですけど)。

 

親の気持ちになって考えると、何が正解なのかすごく難しいなと、第3話は考えさせられる内容でした。

 

私はグッドドクター3話目にして、ようやくドラマの渦中で涙しましたが、それは子供を突然失った親の悲しみに共感したからで、医師の行動に感動したわけじゃありません。

 

  • 医師を責めずにはいられない強い悲しみ
  • 我が子がいきなりいなくなった現実を受け入れられない辛さ
  • 湊先生の心配りから子供への愛しさに涙する姿

 

どれもすごくわかるなぁと思っちゃって…。

 

だから、最後に美結ちゃんの父親が、夏美先生に謝罪と感謝の気持ちを述べる姿は、心から尊敬しました。

 

気持ちの整理を必死にして、悲しみを受け止めて前を向こうとする姿に、心から感動しました。私だったら、あんな風になれるだろうかと…。

ということで、私の中では、グッドドクター第3話の主人公は、美結ちゃんの両親だったんですよね。

 

ストーリの中に湊先生の行動がチョイチョイ入ってくるけど、そこに自閉症の設定はあってもなくても同じだったなというのが、正直な感想です。

まぁ、本来社会に出ている自閉症の人って、「え?発達障碍本当にあるの?」ってくらい、特性と上手く付き合っていけるタイプが多いんですよね。だから、自閉症のリアルを考えると、「自閉症の設定の有無は関係ない」というドラマの内容は、リアルな設定であるとも言えます。

 

でもさ~、だったらあえて、主人公を自閉症に設定する必要もないよなぁ…。

 

グッドドクターの湊先生が可愛いという声に激しく違和感…

グッドドクターの感想を見ていると、「湊先生かわいい」という声が多数寄せられています。

 

でも、これにも激しい違和感を覚えずにはいられません。

 

たしかに、山崎賢人くんは可愛いですよ。

っつーか、賢人くんが可愛いんですよ。

決して、自閉症児の言動が可愛いってわけじゃないんですよ。

 

あの外見でやるから、可愛いんです。

 

想像してみてください。

ごく普通の20代半ばの青年が、何となく幼い言葉遣いをしていたら、可愛いですか?

スタイル抜群ではなく、中肉中是の青年が、不思議な歩き方や走り方をしていたら、可愛いですか?

20代半ばといえば、立派な社会人の年齢なのに、子供みたいに純粋過ぎて青臭いことばっか言ってたら、本当に可愛いですか?

 

答えは否!

 

いや、自分の息子ならきっと可愛いですよ。

今私の息子は5歳なので、リアルに可愛いけど、成長してもきっと可愛いと思います。と、同時に幼さが残ったまま青年になったら、すごく心配するだろうけど…。

 

っと、話が脱線しましたが、なんだか自閉症の演技を可愛い可愛いと連呼されるのが、すごーく違和感あるんですよ。

 

だから、この意見には激しく同意です。

 

そもそも、可愛いって自分より下だと感じている対象に使う言葉なんですよね。

自閉症役を可愛いというのは、明らかに上から見た発言です。

 

でも、湊先生はサヴァンで凄まじい記憶力と知識を持っていて、技術的には見習いでも、その知識量とそれを状況に応じて瞬時に的確に引き出す能力は、ベテラン医師以上どころか天才級。

 

これを置いて、「可愛い☆」と言うのは、一体どこの立ち位置からの発言なんだか…。

まぁ、ドラマですからね。山崎賢人ファンが可愛いと騒ぐのはいいんですけどね…。私の過剰反応かな…。

 

グッドドクターの高山先生が湊先生に厳し過ぎる理由を推測

さて、今回ドラマの最終場面で、高山先生の過去に触れるシーンがありましたね。

前回まで写真だけだった存在が、高山先生の弟だとわかりました。

 

ドラマのシーンでは、弟に対して「兄ちゃんは味方だ」みたいな発言がありましたね。

ここから、グッドドクターの高山先生が、なぜ湊先生にあそこまで厳しいのか、何となく推測しました。

 

高山先生の弟は、写真とドラマシーンの感じからして、恐らく湊先生と同じ自閉症スペクトラムなのでしょう。

でも、何かが原因で亡くなってしまった(高山先生がお墓参りしているシーンがありましたが、あれはきっと弟さんですよね)。

 

自閉症の特性の1つに、発達の凹凸があげられます。

湊先生のようにサヴァン級の特殊能力がある自閉症児は少数派ですが、個人別に見れば、「他はそうでもないのに、ここだけは人並みにできる」「ある分野だけは年齢以上の能力がある」というのは、自閉症児に良くある特徴です。

 

うちの息子も、発達の凹凸の凸の部分があります。それは、数字の分野です。

4歳にして時計を分単位で読めるようになり、時間の概念はしっかりしています。5歳の今は、「12時まであと何分?」という問いに答えられます。

 

もしかしたら、高山先生の弟も、秀でた能力があったのかもしれません。

しかし、親はその部分を強みとして生きていくよりも、障碍者として堅実な道を考えていたのかな。

でも、高山先生は弟の能力を信じて、応援していたんじゃないかと推測します。

 

でも、その応援が裏目に出て、弟が二次障碍を起こして自殺したか、もしくはそれがきっかけで事故死したか…。自閉症の弟を信じて応援した結果、弟が死に至ってしまったのではないかと思いました。

もちろん、直接的な原因は高山先生じゃないのでしょうが、「あの時自分がああしなければ」という強い後悔を残し、心に傷を負ったのではないかと…。

 

だから、可能性あふれる湊先生に対して、期待をかけず、希望を見せず、厳しく規制することで、弟と同じ道に行かないよう防衛しているんじゃないかなぁ。

だとしたら、これは自閉症への偏見じゃないですよね。

 

第2話では、高山先生は湊先生の正しい判断を認める発言もありました。きっと、湊先生を見るたびに、弟のことを思い出し、心の傷が痛んでいるのではないでしょうか。

今後、高山先生の過去が徐々に明らかになっていくことでしょう。彼の過去に何があったのか、注目していきたいです。

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コメント

  1. はま より:

    初めまして。5歳、3歳の男の子、1歳の女の子の母、はまと申します。

    私は妊娠を機に退職したのですが、2年と少し、自閉症の療育施設、入所施設で働いていました。職場結婚だったので、主人は今も施設勤務です。

    昨日、帰省している実家で母親がグッドドクターを観ていて、発達障害(ガイはあえて害と書いてますが、差別的な意味はありません。)のドクターという設定、対応に、ドラマとはいえ違和感を感じました。そう思う方はいないのかなと思って色々検索すると、こちらの記事にたどり着き、読んで共感しました。

    私は綺麗事、偽善者が嫌いです。記事を読んでスッキリしました。

    1. kikitadesu より:

      はま様、共感していただけて、なんだか嬉しいです。
      自分が知っている世界の話は、つい色々と考えてしまい、ドラマを純粋な娯楽として楽しむのが難しいですよね。今は発達障碍がメディアでも注目されつつあり、その流れでこのドラマなので、影響力を考えると、ちょっと心配になります。
      コメントいただき、ありがとうございましつぁ。

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