子供が読書感想文を嫌いになる理由とそれでも子供に書かせる方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私は文字を書く仕事をしていますが、子供のころは読書感想文が大嫌いでした。
私の子供たち(小学生息子、中学生娘)も、読書感想文が大嫌いです。
夏休みの読書感想文の宿題のために、親子で修羅場を迎えた家庭は数多くあるでしょう。

今、webライターという文字を扱う仕事をしていて、改めて思います。

「読書感想文ってマジ難しいし、日本の学校教育を受けていたら、普通は嫌いになる」

それでも、やらねばならぬのが宿題です。

そこで今回は、子供が読書感想文を嫌いになる理由を超考察!
読書感想文が吐くほど嫌いな子供に、それでも書かせる方法について、webライターの観点から具体的に教えます。

なお、日本の学校教育について、盛大な愚痴がありますので、苦手な方はここでお引き取りくださいませ。

子供が読書感想文を嫌いになる理由3つ

子供に読書感想文を書かせるには、「なぜ嫌いなのか」を理解し、精神的なフォローをしながら誘導するのがコツ。
まずは、子供が読書感想文を嫌いになる理由を、個人的見解で考察します。

(すみません。本当は読書感想文に苦しむ愚痴を言いたいだけです)

文章作成の知識を具体的に教えていない

子供を持って思い知る、日本の小学校教育のちぐはぐさ。
娘のときは、なんと小1から読書感想文の宿題がありました。

小1って、やっとひらがなが書けるようになった時期ですよ。
会話ができても、文法も文章を書くルールも、ほとんど知らない時期ですよ。
そのタイミングで、夏休みに読書感想文の宿題を出すって、なんて無謀なの!?
文章作成の知識を教える前に、いきなり読書感想文をぶん投げてくる小学校教育どうなってるのよ。

と、思った次第でございます。
ちなみに、息子のときは夏休みの読書感想文は、必須ではなく選択課題になっていました。

小学校の宿題は親ありき。
低学年の内は、読書感想文の宿題は、ほぼ親丸投げです。
子供に「読書感想文について、学校の授業で習った?」と聞いても「習ってない」と答えますし、事実教科書に載っていませんから。

webライターをしてるとわかるのですが、文章を書くには知識が必要なんですよ。
文法はもちろん、「こんな風に書くと、スラスラ書けるよ」的なテクニックの知識も。

学校では、そんなものは教えてくれません。
学年が上がれば文法や起承転結は習いますが、非常に漠然としています。
webライターがクライアント様にいただくような、マニュアル的細かなテクニックは全く教えてくれません。
これでは、子供が「読書感想文ってどうかけばいいの?」と悩み、進まず、「できないから嫌い」となるのは必然です。

普通の親は、文章について、子供と同じく学校教育しか受けていませんから、「できない」「嫌い」となった子供に対して、どのようなアプローチをかければよいのかわからないでしょう。
そうして、親子で修羅場になり、ますます子供は読書感想文を嫌いになっていくのです。

そもそも読書が楽しめていない

そもそも論なのですが、読書感想文が嫌いな子供の大半は、読書が楽しめていません。
YouTubeやテレビアニメ、漫画やドラマなどは好んで観たり読んだりするけど、「読書感想文用の本」となると、それだけで拒否反応。
読む前から「読みたくない」「かったるい」と思い、いざ読み始めれば「やっぱりつまらない」となって、読書に全然集中できずに苦しみながら文字を追っているだけ。

これでは、読書感想文が嫌いになのも当たり前です。
だって、「感想文」の前の「読書」で躓いているのですから。

読書感想文って一体何なんですかねぇ。
なぜ「読書」して「感想文」を書かなければならないのか。
そして、なぜ「読書」として示される書籍が、学校教育者の好みで選ばれるのか。

せめて、「読書」の定義をもっと広くしてくれればいいのに。
「漫画でも辞典でも雑誌でも可。あなたが楽しいと思った紙媒体の感想を述べよ」
ならば、もう少し楽しく感想文に取り組めるだろうに。

学校の課題図書にも疑問を感じます。
優秀で多くの人が感動する書籍だってことはわかりますよ。
しかし、なぜそれについての感想を述べるのか。
もっと自由でいいじゃないか。
人の好みは千差万別で、「独自性や個性」「自分で考えて決断する力」を大切にしようって言うなら、読書の対象も自由に選ばせてくれよ。

そう思います。
試しに読書感想文嫌いの娘に聞きました。

私「『好きなキンプリの平野君について感想を述べよ』と宿題が出たらどうよ?」
娘「無限に書く」

感想文とは、かくあるべきでしょう。
「書かずにはおれないほど情熱のこもった感情及び感想」でなければ、心に訴えかける素晴らしい感想文は書けませんよ。

おっと、話がズレました。
子供が読書でつまづかないように、学校はもっともっと寛大であるべき。
小学生の内は、夏休みの宿題は「ジャンル一切問わず!紙媒体ならなんでもOK!あなたが好きな本を探そう!」だけで充分です。

否定的な感想が許されない

百歩譲って、「読書感想文は教育として必要」と受け入れたとしましょう。
しかし、学校の感想文は「否定的な内容は除外」が暗黙の了解です。
例えば、自分で選んで読んだ本がくっそつまらなかったとしても、「つまらなかったです」とは書けません。
学校が求める読書感想文とは「読む人を感動させる感想文」なのです。

なんだそりゃ。
それって感想じゃないじゃん。
ある意味webライターみたいに、読み手が欲しい言葉を並べる作業じゃん。

って、子供を持って、しかも文章を書く仕事をしているからこそ痛感しますよ。
本来なら「つまらなかった」をメインとした感想でも良いはずです。
「なぜつまらなかったのか」「手に取ったときは面白そうと思ったのに」「一体自分はどこで間違えたのか」を掘り下げれば、立派な感想文になると思うのです。

でも、学校はそれを許しません。
作品をディスるような書き方は、断固として認められないのです。
教育者だから。

こんな規制だらけの感想文、大人だって「つまらない」「嫌い」になりますよ。
そもそも、読み手や書き手を考えて文章を書くなら、それはもう「読書感想文」ではありません。
「人を思いやる文章」であり、道徳の分野です。

学校が求める読書感想文は、純粋な感想ではなく道徳まで含めた複雑難解な文章。
中学生にもなれば、いくつかの要素を構築して文章化する作業もできるでしょう。
しかし、小学生にはあまりにも高度な作業で、下手をすると「タテマエが大事で、本音は外に出すものではない」という、偏った考え方を押し付ける好意になり兼ねません。
何より、「読書感想文」に求められる範囲が広く複雑すぎて、「難しい」「何書けばいいかわからない」と、苦手意識を染みつけてしまいます。

学校が提示する自由度の低さこそが、子供が読書感想文を嫌いになる最大の理由だと私は考えます。

子供の宿題でストレスが溜まったらラーメンを食べよう!
↓↓私のお気に入りサイト↓↓

宅麺

読書感想文を嫌いな子供に書かせる方法

読書感想文が大嫌いな子供に、ただ本を読ませて原稿用紙と向き合わせても、筆は全く進みません。
読書感想文が嫌いな子供には、具体的なテクニックを提示し、付きっ切りで指導するくらいが丁度いいです。

ここで役に立つのがwebライターのスキル。
原稿用紙2枚を超える文章を書くなら、その前の準備が何より重要なんですよ。
日々数千文字の文章を生み出すwebライターの観点から、読書感想文が嫌いで嫌いでたまらない子どもに、それでも書かせる方法を、具体的に解説していきましょう!

まずはあらすじを箇条書きで書く

子供にまずやらせるべきは、あらすじを書いて内容の理解を深めさせること。
漠然と読んだだけでは、感想文は思い浮かびません。
「どんな話だった?」と、子供にインタビューしながら、箇条書きしてあらすじを書いていきましょう。

この時、子供が面倒臭がって買いたくないと言うなら、あなたが書いてあげればOK!
大事なのは、「AがBと〇〇した」程度の簡潔な文章でもいいので、子供に内容を発言させ、その通りに文字として記録することです。

一番印象深かったシーンを選択する

あらすじの箇条書きが完成したら、子供に一番印象深かったシーンを聞きましょう。
このシーンこそが、読書感想文の山場となります。

子供は「ここかな?」と、指さす程度かもしれません。
このとき、「なんでこのシーンが良かったの?」と、あなたが深掘りしていきましょう。
子供は悩みながら、ぽつりぽつりと感想を述べるので、全てメモしてください。
「面白かったから」など、短くて漠然とした感想に対して、「どんなところが面白かった?」と、文字数を稼ぐための分析を手伝うのもあなたの仕事です。

読書感想文テンプレートを提示する

あらすじと、子供が一番印象に残ったシーンの深掘りが終わったら、いよいよ読書感想文全体の構成を考えて行きます。
ここで役立つのが、読書感想文テンプレートです。
インターネットで「読書感想文 テンプレート」と検索すると、たくさんの画像が出てくるので、学年に合ったものを選ぶと良いでしょう。

せっかくなので、webライター的読書感想文テンプレートをご提案します。

  1. なぜこの本を選んだのか?(興味を持ったポイント)
  2. どのような内容か?(超簡単な要約)
  3. 登場人物の誰に一番共感したか?(細かな理由を述べる)
  4. 登場人物で一番反感を持ったのは誰か?(理由を述べつつ否定的にならないよう前向きな意見で締める)
  5. 一番印象に残ったシーンの説明と感想
  6. 読み終えて本からどんなメッセージを感じたか
  7. 最後に、本から得たものについて述べる

1項目ずつ、自分と向き合って詳細な感想を書いていけば、それなりの文字数になるでしょう。

必要な文字数からテンプレートに適切な文字数を当てはめる

さて、文章を書く際に重要なのが、内容と文字の配分です。
例えば、原稿用紙3枚ならば約1200文字。
いきなり書き始めると、全然足りなかったり、あるいは文字数オーバーしたりと、大変なことになってしまいます。

ですので、テンプレートを決めたら、どの項目をどれくらいの文字数で書いていくのか、先に設定してしまいましょう。
webライターが作成する文章では、「構成」に当たる作業です。

テンプレートを決め、内容を考えながら、全体の文字数を決めていきます。
どれくらいの文字数か想定できないなら、テンプレートに書きたい内容を箇条書きしてから、全体の文字数を決めると良いでしょう。

最後に原稿用紙に清書する

テンプレートと文字数をザックリ決めたら、いよいよ文章を書き始めます。
いきなり原稿用紙に清書する自信がないなら、ノートなどに下書きをすると良いでしょう。
もちろん、パソコンやスマホで文字入力をしても構いません。

なお、清書の段階に入ったら、サポートは止めて見守りに入りましょう。
ここまで付き合うと、つい「もっとこう書けばいいのに」と口出ししたくなるものですが、グッと我慢です。

読書感想文が自分の作品だと実感できたときに、子供は文章を書く楽しさを知ります。
出来上がった感想文が「あれれ?」な感じでも、やり切ったことを誉め、せめて1カ所は「ここの感想、最高だね!」と、具体的に絶賛してくださいね。
「子供の読書感想文について、決して貶さず、褒めながら超ポジティブな感想を述べる」のが、あなたの最後のお仕事です。

読書感想文が書けなくても大丈夫!

繰り返しになりますが、私は読書感想文が大嫌いな子供でした。
ただの作文は好きでしたが、好きでもない本を強制的に読まされている時点で苦痛。
さらに、「大人が喜ぶ模範的な感想」が思い浮かばず、筆がピタッと止まって苦痛でした。

そんな私ですが、今はwebライターという文章をひたすら書く仕事をしています。
ちなみに、仕事では私的な感想は求められていません。
恐らく、大人になってからの仕事の多くが「私的な感想より論理的思考」が求められるでしょう。
ですので、学生時代に読書感想文が苦手でも、まーーーーったく問題ないのです。

感想って、本来は物事に対して感じた素直な気持ちのはずですよね。
「気持ちを言葉にして伝える力」は必要ですが、読書感想文以外でも、いくらでも培われるスキルです。
夏休みの宿題に読書感想文が出ると、親子で絶望的な気持ちになるかもしれませんが、「これは課題だ。テクニックで乗り切るのだ」と、割り切っていきましょう!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*