結婚は人生において重要なステージとされていますが、近年では結婚しない人の数が増えています。
この記事では、結婚しない選択が将来的にどのような結果をもたらすのかを考察します。
また、令和2年の年齢階級別未婚率と、結婚しない人生が悲惨な末路を迎えることを避けるために注意すべき点についても紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
結婚しない人はどんな末路を迎えるのか
引用:図表1-1-8 年齢階級別未婚率の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
上記のグラフが表す通り、未婚率は年々上昇中ですが、人によって末路はさまざまです。
まずは、結婚しない人の末路として考えられるパターンを紹介します。
これらはあくまで一般的な例ですが、結婚しない人が陥りやすい問題でもあるので注意しましょう。
孤独感や孤立感に苛まれる
結婚に関する社会的な圧力や規範によって、結婚しない人は周囲からのプレッシャーや異なる孤立感を持つことがあります。
なぜならば、現代は結婚する人が多数派で、意識していなくても「幸せな家族を持つ人」と自分を比較してしまうからです。
さらに、結婚による社会的なイベントも発生しないので、社会とのつながりを感じにくくなるケースもあります。
また、結婚している人の中には「自分は多数派」というだけで少数派であ未婚者に偏見を持つタイプもいます。
あなたに落ち度がないのに「だから結婚しないやつは」「君には理解できないだろう」と、理不尽な対応をされるかもしれません。
経済的な負担を1人で背負う
結婚しない場合、1人のみの収入で生計を立てなければなりません。
パートナーの収入がないため、経済的負担(住居費、光熱費、食費、保険料などの負担)が増える可能性があります。
兄弟姉妹など親族からの協力が得られない場合、収入が不安定な場合や災害や失業などの予期せぬ状況に直面した場合、経済的に困窮するリスクがあるでしょう。
また、結婚しない場合は健康保険や医療費の負担も1人で負わなければなりません。
結婚している場合、配偶者の健康保険を利用することができるため、医療費の負担が相対的に軽減されることがありますが、それらを享受できないのです。
高齢になったときに頼る人がいなくなる
高齢になると、日常生活の中での身の回りの世話や家事、買い物、食事の準備などが難しくなることがあります。
身寄りのない独身の高齢者は、これらの日常的なサポートが得られず、生活に大きな不便を感じるかもしれません。
健康なら1人で行動できますが、病気や怪我のときは大きな不安と不便を感じるでしょう。
若いうちは年老いた自分を想像するのが難しいものですよね。
高齢になると体力や筋力だけではなく、思考力や判断力も衰えていきます。
そのため、頼る人がいないと今よりも一層孤独感に苛まれるかもしれません。
結婚した友人と疎遠になる
結婚後、友人との時間や関わり方が変化することがあります。
結婚した友人は家庭との時間を優先し、友人との交流が減少するのが一般的だからです。
また、結婚後は生活スタイルや関心事が変化することがあります。
結婚した友人は家庭や子育てに関心が向き、独身者との共通の話題や活動が減少することも。
一方、結婚しない人はすべてが自分の時間なので、結婚した友人に付き合いの悪さを感じるかもしれません。
また、自然と興味の対象が変わるため、話が合わなくなる場合も。
時間的な問題と価値観の変化により、疎遠になる可能性が高くなります。
「今は友人がいっぱいいる」「みんな結婚しないと言っている」と安心していても、未来はわかりません。
1人また1人結婚し、あなただけが独身者になるかもしれません。
結婚しない人の幸せな成功パターンとは?
結婚しない人でも、もちろん幸せな人生を送る人もいるものです。
そこで、結婚しない人の幸せな成功パターンについて紹介します。
自己投資してキャリアで成功する
結婚しない人は、自己成長や個人の目標に集中することができます。
キャリアの発展や学術的な成果、芸術的な才能の追求など、自己実現に向けた努力を積極的に行うことで、成功を収める可能性が高まるのです。
とくに女性の場合、結婚しなければ夫の都合に合わせる必要がなく、出産しなければ産休育休のブランクもありません。
結婚して出産育児する女性と比較し、自己投資や仕事に閊える時間は非常に多く有利です。
政府は2030年までに女性役員30%という目標数値を掲げています。
「キャリアでの成功」は結婚しない女性が最もイメージしやすい成功パターンでしょう。
独身の友人と楽しく過ごす
結婚しない人でも、友人や家族との絆を築くことは可能です。
友人や仲間との絆を深め、支え合うコミュニティを形成することで、豊かで幸せな人生を送れるでしょう。
自分の時間をとことん楽しむ
結婚しない人は、自由な時間やリソースを自分の趣味や情熱に費やすことができます。
音楽、スポーツ、アート、旅行、ボランティア活動など、自分にとって意義深い活動に没頭することで、達成感や充実感を得られるでしょう。
また、趣味を追求することで自分の才能を開花させる可能性もあります。
今はSNSから世界へ発信できるので、趣味を自分の中で完結せずに社会につなげることが可能です。
自分の時間をとことん楽しみながら、社会とのつながりを感じて達成感や充足感を持つこともできるのです。
負担なく自分の健康に注力した生活を送る
結婚しない人は、自己ケアに時間とエネルギーを注ぐことができます。
メンタルなバランスを保つために、適切な休息、運動、食事、ストレス管理を行う時間が十分にあるので、心身の健康を維持しやすいのです。
ただし、あくまでも自己管理になるので、意志の強さが必要になります。
つい怠惰で不健康な生活を送ってしまうタイプの場合、結婚したほうが健康が保ちやすいでしょう。
令和2年時点での年齢別未婚率とそこから読み取れること
以下のグラフは、令和2年に行われた国税調査から作成した年齢階級別男女別の未婚率です(5歳級)。
参照:令和2年度国税調査
注目すべきは、70代以降の未婚率は男女ともに10%以下という点です。
年々未婚率は上昇傾向ですが「未婚のまま後期高齢者になっている人」は、現時点では確実に少数派。
70代以降、老化による身体の不調や病気などが増え始めたとき、未婚者がどのような生活を送るのか、目の当たりしたことがある人はかなり少ないはずです。
筆者は今47歳ですが、40代以降は確実に体力や筋力の衰えを感じています。
30代のころは気合で乗り切れていたことができなくなりました。
30代の自分と今の自分は体力も精神力も違いますし、この先70代の自分はもっと変わっているだろうと想像できる状態です。
「結婚しない」と考えている人の多くは、まだ30代以下だと思いますが、今の元気な自分をイメージしたまま老後の計画を立てるのは危険かもしれません。
30代の未婚率は前半で男性43.7%、女性33.6%と、少数派とは言え2~3人に1人の割合ですから、仲間がいる安心感もあるでしょう。
しかし、40代前半の未婚率は男性27.6%、女性18.8%まで減っています。
「お互いずっと独身。これからもよろしく」と言い合っている同士が今後も独身を貫くとは限りません。
結婚の選択は、この先あなたの環境が激変したり、健康な身体に問題が出たりしても、結婚しない道を選ぶのかを考えた方が良いでしょう。
結婚しない人生を選んだ人の現状
実は、私の身近には結婚しない人生を選んで70代を迎えた女性がいます。
彼女は私の叔母で、私の母の妹です。
コロナ禍以降会う機会は激減しましたが、それ以前は年に1度は顔を合わせる関係でした。
母は3姉妹で仲がよく、毎年2回は3姉妹で旅行を楽しんでいるので、母から叔母の話を今も頻繁に聞きます。
そんな叔母は「結婚しない人生」を自ら選んだのか、それとも機会がなかったのかはわかりませんが、現時点では豊かな生活を送っています。
叔母は大手企業に長らく務めていました。
東京都練馬区のマンションを購入し、私にとっての祖母と2人暮らし。
しかし、祖母が認知症になり介護のために50代で退職。
そして住んでいるマンションを売却して、東京都北区に新築マンションを購入。
以前から資産運用しており、退職金もあり、貯金もしっかりしていたようです。
その後、認知症が進んだ祖母は介護施設に入ることになります。
なお、介護施設費は母も含めた3姉妹で分担。
叔母は祖母が入所後に仕事を再開します。
祖母は90を目前に亡くなり、叔母は今マンションで1人暮らしをしています。
もともと陶芸が趣味で、友人関係も広く、よくマンションに友人を招いていると聞いています。
私も新年にはいつも母とあいさつに行き、叔母の美味しい手調理を食べるのが楽しみでした。
70代になると、足腰に不調が出て入院と手術をすることに。
その後、普通の生活に支障はありますが、日によって痛みが強いので通院を続けているようです。
私から見ると、叔母の生活は独身貴族の悠々自適な理想形に見えます。
しかし、祖母を介護中はとても大変でしたし、70代に入り健康面の不安は大きいようです。
幸い、叔母は3姉妹で、近くはないけど電車で1時間かからないところに皆住んでいて、いつでも助け合える環境にあります。
叔母は3姉妹の末っ子なので、叔母だけが残されて誰かを頼りたくなったときは私に声を掛けるように母に伝えています。
結婚しない人生の叔母ですが、決して孤独なわけではありません。
良好な関係を築けている血縁者は、やはり心強い存在と言えるでしょう。
なお、叔母は毎月30万円ほどの年金が入ってくると聞いています。
厚生年金に加えて積立基金にも入っていたとのこと。
また、叔母が働いていた企業の平均年収は昨年の有価証券報告書によると1100万円以上なので、もともとかけていた金額もかなり大きかったのでしょう。
今は月2回1人旅行を楽しんでいる叔母ですが、結婚しない気楽な生活は平均水準を大幅に上回る収入があってこそ。
お金のない老後は悲惨かもしれませんね。
結婚しない人生で悲惨な末路を迎えないための注意点
叔母はお金もあり、いざというときに頼れる体制もしっかり整えていて、結婚しない人生の老後のモデルケースかもしれません。
そのために努力を続けて勉強もしっかりしてきたと思います。
もちろん、結婚しない人生の老後は叔母のような成功パターンばかりではありません。
お金も人とのつながりもない孤独な末路を迎える人もいるでしょう。
そうならないために、どんな準備をするべきなのでしょうか。
結婚しない人生で悲惨な末路を迎えないための注意点を紹介します。
結婚しない人生を望んでいるのか考える
まずは、結婚しない人生を選ぶ前に、自分自身の本当の意思と希望を確認してください。
他人の期待や社会のプレッシャーに左右されず、自分の内なる声に耳を傾けることが大切です。
あなたにとっての結婚しないメリット、デメリットを具体的に考えて書き出し、将来設計と共にどうするべきかシミュレーションすると良いでしょう。
計画的に経済的自立する
結婚によって得られる経済的な安定やパートナーのサポートがない場合、自立するための計画を立てる必要があります。
キャリアの発展や貯金、資産運用に焦点を当て、自分自身で経済的な安定を確保する方法を探しましょう。
なお、現状の収入で食べて行けるだけでは不十分です。
結婚しない人生を選んだ場合、お金を稼ぐのはあなたしかいません。
万が一に備えた貯蓄計画と保険加入など万全な準備が必要です。
常に社会とつながる
結婚しない人生でも、社会的なサポートネットワークは重要です。
友人や家族、コミュニティなど、信頼できる人々との関係を築き、支え合う環境を作りましょう。
叔母が楽しい独身ライフを続けられているのも、いざというときに頼れる人がいるという安心感があってこそ。
「1人が好き」と「選択の余地なく1人」は全く違います。
目先の煩わしさや面倒さに惑わされず、信頼できる人間関係をコツコツと築き上げてくださいね。
孤独や孤立への早期対応を準備する
結婚しない人生では、時に孤独感や孤立感を感じることがあるかもしれません。
これらの感情に対処するために、自分に合った方法を見つけておくことが重要です。
たとえば趣味や興味を追求する、サポートグループに参加する、心理的なサポートを受けるなど。
自分で自分を楽しませる選択肢を複数用意しておきましょう。
健康にはくれぐれも注意する
結婚しない人生を幸せに過ごすには、なにより健康が大切です。
健康を害すると収入を得る術を失い、経済的に困窮して生活が破綻してしまいます。
負担が少ない分、リスクを1人で背負うのが結婚しない人生です。
まず、定期的な健康チェックアップを受けることが重要です。
健康診断や検査を定期的に受けることで、健康状態を把握し、早期発見や予防に役立ちます。
次に、健康的な生活習慣を確立しましょう。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理など、健康を維持するためのちょっとした手間を丁寧に行うのです。
病気や怪我に備え、適切な医療ケアを受けるために、保険や医療施設の情報もあらかじめ確認しておきましょう。
結婚しない人生の末路は未知の世界
結婚しない人生を全うした人は、今の日本ではごく少数派です。
現時点で未婚の大人は多いですが、まだまだ元気な健康体なので、老後についてのイメージは難しいでしょう。
だからこそ、結婚しない人生を安易に選ぶのではなく、自分と向き合いながら1度真剣に将来を考えることが重要です。
そうして「結婚しない」と決めたのならば、あなた自身の自己決定と生き方を尊重する勇気の表れです。
自由な時間や自己成長の機会を与えてくれ、自分の目標や夢に集中し、自己実現を追求する人生を選んだということ。
結婚しない選択によって築かれる豊かな人間関係もあります。
周囲の人々とのつながりを深め、充実した人生を送ることができるかもしれません。
結婚する人生、しない人生、どちらを選んだとしても、自分と周囲人を大切にすれば、自分自身の心の中にある喜びや充足感によって充実した人生を送ることができるでしょう。
あなたの個性と人生の輝きを信じて、素晴らしい未来を歩んでくださいね。