2020年の年齢別未婚率を国勢調査から算出!生涯未婚率の予想は的中?

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婚姻率は地域によって異なり、しかも自分が生活している環境によっても大きく変わります。
「右も左も独身だらけ」という人もいれば、「友達は全員既婚者」という人もいるでしょう。
意外と客観的な数字は見えないものです。

そこで今回は、令和2年国勢調査から、各年齢別の未婚率を算出!
国立社会保障・人口問題研究所が作成した生涯未婚率(50歳時点の未婚割合)が的中しているのかどうか解説します。

令和2年の年齢別未婚率

国勢調査とは、国籍関係なく日本在住(内閣府は「本邦内に常住している者」と表現)の人に行う調査です。
一部を除く日本に3カ月以上住んでいる、住むことになっている人すべてを対象にしています。
今の日本は、どのような属性の人が生活しているのか、リアルにわかるデータです。

なお、未婚率は日本在住の各年齢層数に対する未婚者で算出しているのでご注意ください。
日本で結婚後、海外に移住したり、海外の既婚者が仕事などで日本に滞在している場合も含まれるので、人口動態統計とは数値が異なります。

参照データ:国勢調査 / 令和2年国勢調査 / 人口等基本集計 (主な内容:男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態,母子・父子世帯,国籍など)

令和2年の国勢調査では、各年齢の未婚率は以下の結果になりました。

男性 女性
18歳 98.9% 98.9%
19歳 97.2% 97.3%
20歳 94.9% 94.8%
21歳 92.8% 92.0%
22歳 89.3% 88.0%
23歳 84.9% 83.0%
24歳 80.6% 77.8%
25歳 75.9% 71.6%
26歳 70.8% 64.7%
27歳 65.2% 57.7%
28歳 59.9% 51.2%
29歳 54.9% 45.6%
30歳 50.4% 40.5%
31歳 46.7% 36.5%
32歳 43.4% 33.3%
33歳 40.6% 30.5%
34歳 38.2% 27.9%
35歳 35.8% 25.8%
36歳 33.6% 24.0%
37歳 32.1% 22.5%
38歳 30.8% 21.3%
39歳 29.8% 20.5%
40歳 28.8% 19.7%
41歳 28.0% 19.1%
42歳 27.5% 18.7%
43歳 27.0% 18.4%
44歳 26.7% 18.1%
45歳 26.5% 17.7%
46歳 26.0% 17.3%
47歳 25.8% 17.0%
48歳 25.5% 16.6%
49歳 25.2% 16.3%
50歳 24.6% 15.8%
51歳 23.7% 15.3%
52歳 22.8% 14.6%
53歳 22.0% 14.0%
54歳 21.5% 13.5%
55歳 20.5% 12.5%
56歳 19.7% 11.8%
57歳 18.6% 11.0%
58歳 17.8% 10.1%
59歳 17.0% 9.4%
60歳 16.3% 8.8%
61歳 15.6% 8.2%
62歳 14.9% 7.7%
63歳 14.2% 7.1%
64歳 13.6% 6.7%
65歳 13.2% 6.3%
66歳 12.6% 6.0%
67歳 12.0% 5.7%
68歳 11.3% 5.4%
69歳 10.6% 5.3%
70歳 9.7% 5.0%
71歳 8.6% 4.9%
72歳 7.6% 4.8%
73歳 6.6% 4.7%
74歳 6.0% 4.5%
75歳 5.3% 4.3%
76歳 4.5% 3.9%
77歳 4.1% 3.9%
78歳 3.7% 3.8%
79歳 3.3% 3.7%
80歳 2.9% 3.6%

令和2年国勢調査の年齢別未婚率からわかること

各年齢別の未婚率から、日本の結婚事情について以下のことがわかります。

  • 25歳では男女共に未婚率は75%以上
  • 女性は29歳で未婚率が50%以下になる
  • 男性は31歳で未婚率が50%以下になる
  • 女性は40歳で未婚率は20%以下になる
  • 男性は40歳で未婚率は28.8%と高水準
  • 年齢が上がるにつれ未婚率は下がる
  • 60歳の未婚率が男性16.3%、女性8.2%
  • 80歳の未婚率が男性2.9%、女性3.6%

昭和では女性の結婚適齢期について、「25歳はクリスマスでギリギリ、26歳は売れ残り」と言われていました。
しかし、令和の時代は25歳の未婚率は男女共に75%以上。
25歳までの結婚は「かなり早い」と言えます。

女性の未婚率が50%を下回るのは29歳です。
やはり、令和になっても「20代のうちに」という意識は、女性の中であるのかもしれません。
一方、男性の未婚率が50%を下回るのは31歳で、女性とは2年程度の差です。
女性だけではなく、男性も30歳は結婚の節目の年齢となるのでしょう。

なお、男女の未婚率の差は23歳ごろから広がり始めます。
女性の方が年上の夫婦も増えましたが、全体的に見ると、やはり女性の方が結婚が早い傾向があるのでしょう。

40歳時点で、1度も結婚したことがない人は、男性が3人に1人、女性は5人に1人程度となります。
なお、この統計では「離婚・死別し現在独身」の人は、未婚者にはカウントされていません。
独身者は社会全体から見ればまだまだ少数派ですが、決して珍しいとは言えない割合です。
横並びに安心感を持つ日本人にとって、「焦って結婚しなければ」と思えない環境なので、未婚率は益々上昇するかもしれませんね。

70歳以上になると、未婚者は男性が10%を下回り、女性はわずか5%以下。
「適齢期になるとお見合い話が次々舞い込み、周囲から『まだ結婚しないのか』『結婚してこそ一人前』の圧力がえげつない時代」を生きてきた人たちです。
結婚選択の自由は死守されるべきですが、「結婚したいけどできない」と嘆く人を減らすためには、やはり周囲の働きかけが不可欠です。

生涯未婚率の予想は的中?今後はどうなる?

国立社会保障・人口問題研究所では、2015年の国勢調査を元に、未婚率を推測しています。
参照:内閣府「第1部 少子化対策の現状(第1章 3)」
2015年の国勢調査では、50歳時の未婚割合(45-49歳の未婚率と50-54歳の未婚率の平均)は、男性23.4%、女性14.1%です。
これを元に2020年の未婚率は、男性26.7%、女性17.5%と予測を出しています。

そこで、令和2年国勢調査の年齢別未婚率を元に、同じ算出方法で2020年の50歳時の未婚割合を算出しました。
結果は以下の通りです。

2020年50歳時点の未婚率
男性:24.4%
女性:15.8%

なんと、国立社会保障・人口問題研究所が予測した数値より、男女共に1ポイント以上低いです。
これは、2015年に40-50歳だった男女が、想定よりも結婚したことを意味しています。
少し明るいニュースです。

2015年の予測では、2040年の未婚率は男性が29.5%、女性が18.7%となっています。
令和2年国勢調査では、30歳時点の未婚率が男性50.4%、女性40.5%ですから、30代をどれだけ結婚に前向きにさせるか、具体的な政策をとることが、国の義務と言えるでしょう。

個人の自由と国の未来は別問題

先日2021年の出生数が過去最低の81万1604人というニュースを見ました。
年々出生数も婚姻数も減っているのですから、日本の人口が減り続けるのは必然でしょう。
令和2年の国勢調査では、1-10歳までが9,605,175人に対して、71-80歳が15,942,723人。
超々高齢化社会は既に始まっています。
日本の少子高齢化は、即対策を打つべき大問題です。

もちろん、「国のためにしたくもない結婚をして子供を生め」とは言いません。
未婚率の上昇は、選択の自由を獲得したという受け取り方もできます。
ならば、国は高齢者も働き、若者が減り続けても経済と社会を回すシステムづくりをすべき。
果たして、それは実現可能なのでしょうか。

個人の自由と国の未来は、別問題と考えるべきでしょう。
非情に難しいですが、少なくとも結婚して子供を持ちたい若者への手厚い待遇は急務です。

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