PTAはいらない!本部経験者が不要の理由となくならない原因を語る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私は小学校のPTA本部経験者です。
書記でしたが、本部にいると、PTAのさまざまな情報が流れ込んできます。
そして、しみじみ思いました。
PTAはいらないと。

PTA不要論は前々からありますが、コロナにより、ますますいらないと思う人が増えているでしょう。
コロナを理由に、PTAの数々の企画や仕事が必然的に削減された状況ですが、困るどころかむしろ快適なのですから。

とは言え、PTAが一体何をしているのか、本当にいらないのか、経験者じゃなければわからないところも多いでしょう。
そこで今回は、PTA本部経験者の私が、PTAはいらない理由を解説!
それでもなぜPTAがなくならないのか、原因を考察します。

※現在PTA活動をされている方々には、心より感謝申し上げます。

PTAがいらない理由4つ

PTAがいらない理由は、以下の4つです。

  • 存在するだけでお金がかかる
  • 存在するだけで仕事が発生する
  • ママ友トラブルが多い
  • 時代に合っていない

理由について1つずつ詳しく解説していきましょう。

存在するだけでお金がかかる

ズバリ、PTAは存在するだけでお金がかかります。
PTAは毎回総会で予算決議されていますが、熟読してチェックしたことはありますか?
表現の仕方が非常にあいまいで、読んでもツッコめないし、ツッコむ方が面倒なので、ノーチェックで承認書の「承認する」に〇をつけて提出する人が大半でしょう。

PTAには、「会議費」「事務費」「備品費」「交通費」など、費用項目がたくさんあります。
「絶対必要か!?」と聞かれたら、「削減可能」と思います。
しかし、前例主義で前年の仕事を今年も同じようにやっているので、費用が積みあがっていくのです。

特に大きいのは、事務費の中の印刷費用でしょう。
未だに紙資料が多いですし、PTAとしてコピー機を持っているので、メンテナンス代もかかります。
故障すれば修理しますし、寿命が来れば買い替えます。

その他、「学校生活を良くする」の名のもとに、さまざまなお金が出て行きます。
学校によってさまざまですが、「ガーデニング費用」「装飾品」などもかかります。
そして、PTAがある限り、他校との交流が発生し、自治体でのPTA総会や講演会にもお付き合いで出席せねばならず、「お祝い金」などのやり取りも行われます。

その他、私が所属している小学校では、宿泊行事のボランティア分の宿泊費や、卒業式に卒業生につける胸の花、紅白饅頭なども、PTA会費から出していました。
学校活動なのですから、本当に必要ならば、学校側が「経費」として計上し、保護者に請求すれば良いはずなのに、昭和からのグダグダなつながりが、未だに継続した状態です。

存在するだけで仕事が発生する

PTAは存在するだけで仕事が発生します。
最もわかりやすいのは、「選挙管理部」の存在です。
選挙管理部とは、次年度のPTA役員を決めるためだけに存在する部。
昭和のやり方が継続され、個人情報保護法もあり、未だに「PTAカード」なるものでやり取りされ、しかも家に仕事を持ち帰れず、膨大な仕事量が発生します。
ぶっちゃけ本部より大変そうで、毎日のように学校に来ている時期もありました。

PTAが団体としてあるため、総会も行わなければなりません。
書記の私は総会準備が大きな仕事の柱でしたが、パソコンが得意で事務に慣れた私でも大変な仕事量でした。
PTAがなければ、総会もやらなくていいのに。

その他の部署も、昭和からの継続で、イベントを企画したり、紙資料を作って配布したりなど、「存続の意義」のためだけと言っても過言ではない仕事が多数ありました。

これらが「必ずしも必要ではない」「なくても全く困らない」というのは、コロナによって証明されましたよね。
PTAの多くは、存続するために仕事をしているようなものなのです。

ママ友トラブルが多い

気の合うママたちが楽しむために集まるママ友付き合いとは違い、PTAは役割のある仕事です。
しかし、PTAに集まる保護者は千差万別。
スキルもバラバラ、価値観もバラバラなので、必然的に衝突が増えます。
単なる保護者つながりだけなら、特に問題が起こらないのに、PTAで強制的に関わる羽目になるため、トラブルが多発するのです。

PTAなんかやらなければ、心穏やかに過ごせた人もいるでしょう。
PTAのママ友トラブルの多さは、以下の記事で詳しく書いているので、是非読んでくださいね。
PTAでママ友トラブルが多い原因と対策【体験談付き】

時代に合っていない

PTAは過去の産物で、ぶっちゃけ今の時代に全く合っていません。
箇条書きで、PTAの何が時代錯誤なのか説明します。

  • 働きながらPTA活動は負担が大きいが、専業主婦率は激減している
  • 核家族化が進み、子供を預けてPTA活動するのが困難
  • インターネットが発展し、学校の素人が作った資料を読む必要性がない
  • 学校の透明化が進み、PTAが監督の役割を果たす必要性がない
  • 保護者のつながり方が多様化しているので、PTAに固執する必要性がない
  • 子供たちも忙しくなり、PTA企画イベント参加者は年々減少傾向にある

ネットワークが脆弱だった昭和とは違い、今は保護者の意思でつながりを作れる時代です。
学校とも、個別の交渉はいくらでもできます。
(私の息子は発達障害があり、普通級在籍しながら言語通級ですが、必要な支援のために個別で連絡を取り合っています)

PTAがきっかけで仲良くなる保護者もいますが、ママ友作り目的でPTAを希望する保護者はかなり少数派。
皆、「できればPTAやりたくない」と思っているのです。

そもそもPTAって何してるの?

私が「PTAいらないな~」と心底思うのは、実際に活動して内情を知ったからです。
そもそも、PTAは何をしているのか、具体的な仕事内容を解説します。
きっと、あなたも「PTAいらない…」と思うでしょう…。

学校行事のお手伝い

PTAは学校行事のお手伝いをしています。
具体例をいくつか挙げましょう。

  • 運動会の来賓受付、見回りお手伝い要因の管理
  • 文化祭や音楽祭など、学校行事時の安全見回り
  • ベルマーク集計
  • 入学式、卒業式のお手伝い

PTAをやって改めて感じたのですが、学校はマジで最小限の教員と事務員で運営されています。
信じられないレベルの人員の少なさです。
そのため、行事等は保護者の手伝いが必要で、PTAがまとめ役を担っています。
学校運営人数が増えない限り、保護者の手伝いは必要でしょう。

しかし、PTAがまとめ役をやる意味がわかりません。
毎年のことなので、教員側でマニュアルを作って管理すればいいと思います。
私の学校は毎年PTA役員が変わるので、全員が初めての経験になり、超非効率でした。

見回り等は、外部委託も大いにありです。
もちろん費用はかかりますが、「PTA会費」として毎年集金される金額を大きく下回るでしょう。

昭和から続く忖度的お付き合い

PTA本部経験をして驚いたのが、町内会等の行事に関わっていることです。
副会長がその役割を担っていて、町内会〇〇会議、的なものに良く呼ばれていました。
毎年恒例で、マニュアルにもしっかり記載されおり、実質強制参加です。

また、学校の体育館や運動場は地域の物であり、授業のない日は貸出しているのですが、そこで行われる地域行事の手伝いもPTAの仕事になっていました。
PTAは学校だけじゃなく、地域や町内会にも利用されているのです。
昭和の時代に主婦の労働力を搾取した悪習が、今も続いているってことですよ。
まるで忖度です。

一番驚いたのは、運動会に来賓客がいること。
地域のお偉いさんに招待状を配るのですが、来賓客はなんと「お祝い金」を持ってくるのです!
公立小学校の運動会ですよ?
そして、PTA会費から来賓客用のお弁当代が出ます。
一体なんなのこれ。
誰得よ?
少なくとも、子供ファーストではないことだけは確かです。

このように、昔から続くよくわからない風習が、PTAには染みついています。
コロナが理由で強制中止状態ですが、誰も困っていないどころか超快適です。

昭和から続く紙資料の増産

PTAはとにかく紙資料が多いです。
しかも、必要ない紙資料が。
PTAが作成し、全児童に配布する資料の一部を紹介します。

  • 広報誌(年2~3回フルカラー)
  • PTA運営報告(PTA役員の紹介や、活動内容など)
  • 保険だより(衛生情報など)
  • ベルマークだより(ベルマーク集めてますよ~のアナウンス)
  • 選挙管理だより(PTA選出方法など)
  • PTA総会資料

作製する度に、大量のコピーを作成し、手作業で暮らす人数分の分別を行い、学校経由で配布します。
私のようにパソコンが得意な人ばかりではないので、苦労して作っている人も少なくありません。
大変な労力を投じています。

しかしながら…必要性はかなり低い…。
きちんと読んでいる人、一体どれくらいいるだろう…。
ってか、なくても全然困らない…。

百歩譲って、紙で配る意味がない。
学校HPに掲載させてもらえばいいと思う。

しかも、広報誌はフルカラーの外部委託なので、かなりの予算がかかっています。
かる~く30万円以上かかります。
30万円以上もかけてますが、構成や内容を考えるのは素人の保護者です。
うちの小学校の場合、広報誌年2回、約600世帯くらいの規模で、1年間に1世帯500円もかかっています。
有料制にて「希望者には500円で売ります」となったら、一体何人が購入するでしょうか。
私はしませんね。

先生紹介も広報誌でしていますが、それも学校HPに乗せてパスワード管理し、在校生がいつでも見られる状態にしておけばいいと思いますよ。

昭和から続く一部しか参加しないイベント企画

PTAでバザーやお祭りなどのイベントをしている学校もあります。
PTA活動の要みたいなもので、かなりの労力が必要ですし、予算もかけています。
ですが、イベントは希望者のみが参加するため、児童全員が恩恵にあずかるわけではありません。
ある意味、とても不公平です。

しかも、今の子供たちは忙しい!
習い事、塾、スポ少など、各家庭でそれぞれ活動をしていて、娯楽にも溢れており、PTAのイベント参加率は年々減少傾向です。
私が本部をしていたときも、PTA主催のイベントが1つありましたが、参加希望者は全体の5%以下で、ついに次年度は消失しました。

PTAのイベント企画は任意なので、すごく盛んな学校もあれば、全然やっていない学校もあるでしょう。
楽しいイベントは歓迎なのですが、その経費がPTA会費から出ているのは、不思議でなりません。

PTAを維持するための作業

PTAの仕事の多くは、PTAを維持するための作業です。
PTAを選出するために膨大な仕事が発生し、PTAを維持するために毎年総会を開きます。

さらに、PTA役員全員が集まった会議が定期的に開かれます。
私のときは、月1回ペースでした。
会議の内容は、今現在各部署がやっている仕事の進捗発表で、極稀に相談があるくらいです。
今の時代、報告は掲示板的なものをネット上に作って、自由に見られるようにすれば良くない?
相談も、必要なときに必要な部同士で話し合えば良くない?
結局、この会議もPTAがあるが故に発生したもので、必要性は限りなく低いです。

PTAはいらないのになくならない原因

こんなにもいらない仕事ばかりなのに、なぜPTAがなくならないのか、不思議ですか?
「文句言うなら、あなたがPTA失くせばよかったじゃない」と思いますよね。

でも、長年続いてきたものを削減するのって、本当に大変なんですよ。
なぜ、PTAはいらないのになくならないのか、その原因を解説します。

一時的にしか所属しないから受け入れた方が楽

PTA会員期間は、子供が学校の児童、もしくは生徒である期間のみ。
実に限定的なのです。
小学校ならば6年、中学校、高校ならば3年の辛抱。
ぶっちゃけ、面倒なPTAでも受け入れた方が楽なのです。

「PTAはいらない!だからなくそう!」と、具体的行動を起こすと、甚大な労力が必要になります。
こんなにいらないのに、変化が不安な層、今を楽しんでいる層から大きな反発も食らうでしょう。
「なぜ、そんな大変なことを私がやらなきゃならないの?」と多くの人は思うでしょう。
私も思っていました。
PTAがいつまでも変わらないのは、長年続いているのに、実は非常に刹那的な集団だからです。

学校側への変化を求めなければならない

PTAのTはティーチャー。
学校の先生方も、PTAの立派な会員です。
そして、PTA会費は学校運営に複雑に絡み合っています。
今や、PTA会費失くして、学校運営は難しい状態です。
別会計なのに、既にグダグダのずぶずぶの関係なのです。

そのため、「PTAいらない!なくすぞ!」となっても、学校側との調整が必要になります。
学校側が今までPTAに丸投げしていた仕事を、先生方でやるよう調整が必要です。
費用についても、学校側で必要経費として計上し、保護者に請求しなければなりません。
忙しい先生方にとっては、非常に負担になるでしょう。

保護者だけの問題ではないので、「PTAいらない!」と言うのは勇気が必要です。
大きな志を持った人が、決死の覚悟で行うのが、PTA廃止活動なのです。

PTAを廃止する方法はある?

自分がPTAを廃止するリーダーになろうとは決して思いません。
それでも、PTAを廃止する方法はないか、私なりに考えて見ました。

論理的には全員が未加入ならば消失する

PTAは任意団体です。
入学すると当然のように「PTA会費払ってくださいね♡」的な資料が配られ、学校経費と同じように自動引き落としされる会費ですが、「私はPTAに加入しません」と意思表示すれば、PTA活動をする必要もなくなります。

しかし、PTA会費は学校運営に細かく関わっていて、PTA非会員になると、子供が必要な配布物を貰えなかったり、自分だけ卒業式の饅頭がもらえなかったりするので、ほとんどの人が加入します。
私が本部時代、PTA非会員は全学年で1人しかいませんでした。
「私、PTA入りません!」と意思表示するのは、根性と勇気が必要な状態です。

しかし、任意は任意ですから、全員が「私、PTA入りません!」と言えば、PTAは自動的に消失します。
PTA役員はPTA会員から選出されますからね。
まぁ…非現実的な案ですけど。

論理的には総会で廃止を議事にあげて賛成多数はなら消失する

次は、もう少し現実的なお話です。
PTAは毎年総会が行われます。
PTA会員は、総会での議事提案が可能です。

「PTA廃止案」を提出し、総会で議決を取り、PTA廃止案賛成が過半数以上になれば、PTAは廃止の流れになります。
学校によってPTA規約が多少違うと思いますが、書かれている内容をクリアすれば可決されるのです。

校長の鶴の一声でなくなるケースも

幼稚園時代のママ友から聞いた話です。
ママ友の小学校は、現PTA役員が、来年度のPTA役員を「電話でお願いする」という決め方をしているそうです。
当然、やりたくない人が殆どですから、断られたり、時には居留守を使われたりして、選出が非常に困難。
その年は、PTA役員の3割も決まらず、現PTA役員は困り果て、そして疲れ果てていたのだとか。

その様子を見て、校長が「決まらないなら今いる人数でやればいい。次年度はPTAをなくしてもいい」と言い出したそうです。
結局、会長不在のままPTA役員活動は始まり、引き受けてしまった人は大変な目に合ったのですが、校長主導のもと、PTA解散の流れになりました。

PTAにとって、校長の存在感は非常に大きいです。
校長がPTA廃止賛成派なら、トントン拍子でPTAがなくなる可能性があります。

PTAはいらないけど流された方が楽だから皆耐える

PTA、マジいらなよな~と思いながらも、皆流された方が楽だから、面倒事を耐えています。
私もそうしました。
「金くれー!」と思いながら、ボランティアしました。
できる範囲で仕事の簡略化と削減はしましたが、PTA廃止のために立ち上がろうとは思いません。

PTAがなくならないのは、年間2000円台という、実に絶妙な会費設定にもあるでしょう。
これば1万円ならば、皆もっと厳しい目でPTAを見ると思います。
「こんだけ金払ってるんだから、意義ある活動をせよ。意義がないなら解散でいいだろう」と。
しかし、2000円なら、「ま、仕方ないか…」と思えてしまう。
自分のお金の一部が、よくわからない来賓へのお弁当代になっても、「やめて!」とまでは思わない…。

PTA活動は、善良な保護者のお金と時間と労力を搾取する制度。
そろそろなくなってもいいと思うのですが、この先も続いていくのでしょう…。
「PTAいらない!廃止に向けて動きたい!」と思う方は、相当な覚悟を持って挑んでください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*