女性が活躍する社会を目指す日本ですが、「結婚したら仕事辞めて優雅な専業主婦になりたい!」という女性も増えています。
また、自分はバリバリ働き、夫に家庭を守って欲しい女性も増加傾向。
もちろん、妻に専業主婦になって欲しい男性、自分が専業主夫になりたい男性もいます。
しかし、今や1馬力で家庭を支える収入を得るのが難しい時代。
今の日本には、果たしてどれほどの専業主婦(専業主夫)が存在しているのでしょうか。
今回は、5歳階級に分かれた各年齢別の専業主婦率(専業主夫率)を算出してみました。
目次
国税調査のアンケート内容から専業主婦率を算出する方法
さて、日本在住ならほぼ全員が受けたはずの国勢調査ですが、世帯ごとなので、家族に記入を任せた人も多いでしょう。
令和2年(2020年)に行われた国勢調査ではい、以下のような設問がありました。
以下引用
9月24日から30日までの1週間に仕事をしましたか?
仕事とは収入を伴う仕事をいい自家営業(農業や店の仕事など)の手伝いや内職・パートタイム・アルバイトも含めます。
通学には予備校・専門学校などに通っている場合も含めます。
幼稚園または保育所などのい通っている場合はその他に記入してください。回答
・主に仕事
・家事などのほか仕事
・通学のかたわら仕事少しも仕事をしなかった人
・仕事を休んでいた
・仕事を探していた
・家事
・通学
・その他(幼児や高齢など)出典:総務省統計局「令和2年国勢調査の概要・国勢調査調査票」
引用:https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/pdf/chosahyo.pdf
専業主婦(主夫)は、配偶者がいて、家事を専門にしている人と定義し、設問では、「少しも仕事をしなかった人」の中で「家事」を選んだ人を、専業主婦(主夫)とみなします。
仕事をしておらず、家事を担っていれば、実質的には専業主婦(主夫)ですが、通学や就職活動など、自分が本来やるべきことが別にあると考え除外しました。
ですので、今回算出するのは、「本人(夫婦)の希望で家事を専業としている人」となります。
回答した総数に対し、「家事」と答えた人の割合が、各年齢階級別の専業主婦(主夫)率です。
国籍は問わず、調査時点で日本在住の既婚者が対象としています。
国勢調査から算出した2020年の専業主婦率・専業主夫率(5歳階級年齢別)
今回算出するのは、純粋に家事を専業としている既婚者の割合です。
以下の人は専業主婦(主夫)に含まれていません。
- 育休など、仕事を休職している人
- 現在仕事をしていないが、専門学校や予備校を含め通学をしている人
- 現在仕事をしていないが、就業希望者であり、就職活動中の人
- 家事を専業とせず、悠々自適に過ごしている高齢者(その他を選んだ人)
それでは、結果を見て見ましょう。
2020年の専業主婦率(5歳階級年齢別)
女性の専業主婦率は、以下の通りとなりました。
15~19歳 | 30.0% |
20~24歳 | 25.9% |
25~29歳 | 22.3% |
30~34歳 | 25.1% |
35~39歳 | 23.5% |
40~44歳 | 19.8% |
45~49歳 | 18.2% |
50~54歳 | 20.0% |
55~59歳 | 24.7% |
60~64歳 | 33.9% |
65~69歳 | 40.8% |
70~74歳 | 39.4% |
75~79歳 | 33.5% |
80~84歳 | 27.0% |
85~89歳 | 20.2% |
90~94歳 | 12.5% |
95歳以上 | 6.7% |
厚生労働省の調査では、平成26年では元働き世帯が1114万世帯に対し、男性雇用者と無業の妻からなる世帯が687万世帯です。
単純計算で、専業主婦世帯は全体の38.1%と出ています。
(参照:厚生労働省「配偶者手当の取り巻く環境について・専業主婦世帯と共働き世帯の推移」)
2020年の国勢調査では純粋に家事を専業としている既婚女性の割合は、全体総数では27.4%と、6年のタイムラグを考慮してもかなりの開きがあります。
対象としているデータが違うと、結果も変わってきますが、それでも年々専業主婦の割合は減っているのでしょう。
その他、特筆すべきを以下にまとめました。
- 専業主夫率が最も低いのは40代(40-44歳:19.8%、45-49歳:18.2%)
- 20~30代でも、専業主夫率は25%前後を推移
- 50代と60代では専業主夫率に約15ポイント前後の差があるが、定年退職が要因と推測できる
- 60代以降になると専業主夫率が減少するが、「その他」の割合は上昇。家事が別の同居者中心になる、あるいは介護施設や入院等で家事をしない環境下になる人が増えると推測できる
- 60代以降でも「その他」を選択せず、自分が家事を担う割合が男性と比較し非常に高い
40代の既婚女性の専業主婦率が最も低いのは、納得の結果に思えます。
子供が入学すると、働き始める既婚女性は多いです。
私の周囲でも、やはり末っ子が小学校入学して生活が落ち着いてから、久しぶりに仕事を始める人が目立ちます。
私自身、第一子妊娠後に派遣社員の仕事を辞めて、第二子が入園してから、40歳目前でwebライターとして個人事業主になりました。
また、年代によって変動はありますが、定年退職前の年齢では、専業主婦率が18~30%程度で推移しているのは注目すべき点です。
子供の成長に合わせて働き始める人がいる一方で、家事育児を担い、ずっと専業主婦として家庭を守る人もいることがわかります。
2020年の専業主夫率(5歳階級年齢別)
男性の専業主夫率は、以下の通りとなりました。
15~19歳 | 1.1% |
20~24歳 | 0.4% |
25~29歳 | 0.2% |
30~34歳 | 0.2% |
35~39歳 | 0.2% |
40~44歳 | 0.3% |
45~49歳 | 0.3% |
50~54歳 | 0.5% |
55~59歳 | 0.7% |
60~64歳 | 2.4% |
65~69歳 | 5.7% |
70~74歳 | 7.1% |
75~79歳 | 8.3% |
80~84歳 | 8.3% |
85~89歳 | 7.2% |
90~94歳 | 5.7% |
95歳以上 | 4.0% |
特筆すべきを以下にまとめました。
- 働き盛り(20-60歳)の専業主夫率は1%未満
- 60歳以降も家事をメインとする男性の割合は10%未満と低いまま推移する
特筆すべきは、一般的に働く年齢(20~60歳)の専業主夫率が1%に満たない点です。
日本の専業主夫は、圧倒的少数派になります。
結婚している男性の多くは、仕事をメインにしているのが実情です。
また、共働きが増えているのに、ほとんどの年齢層の男性が「主に仕事」と答えている現状には、問題意識を持つ必要があると考えられます。
共働きでも、男性の多くは「自分は仕事担当。家事は手伝い程度」と考える人が非常に多いのです。
「フルタイム=主に仕事」という認識で回答しているだけかもしれませんが、これでは妻ばかり家事の負担がかかってしまいます。
それを表すのが、60歳以降の専業主夫率です。
仕事を続けている人もいますが、それを考慮しても、総じて10%を下回っているのは問題でしょう。
「家事は妻の仕事」とする世代でもありますが、圧倒的に余暇があるのに、家事を妻に任せるのは、危機意識に欠けています。
やはり、日本は今でも「家事は妻の領域」という意識が非常に強いのでしょう。
専業主婦(主夫)になれる確率は?
さて、専業主婦(主夫)を希望している人は、実際にどれくらい可能性があるのか知りたいところですよね。
あなたがまだ独身なら、まずは結婚できる可能性について考えるべきです。
2020年の生涯未婚率(50歳時点で1回も結婚しなかった人の割合)は、先日国勢調査のデータから算出しています。
以下引用
2020年50歳時点の未婚率
男性:24.4%
女性:15.8%参照:年齢別未婚率を国勢調査から算出!生涯未婚率の予想は的中?
引用:https://kosodate-ouenraita.com/archives/665
こちらのデータも使って、男女別に、それぞれ専業主婦(主夫)になれる確率を割り出してみました。
女性が専業主婦になれる確率
女性が専業主婦になれる確率は、以下のように算出します。
結婚できる確率(1-生涯未婚率:84.2%)×専業主婦率(15-64歳平均値:23.3%)
あなたがこれから結婚して、64歳までに一時でも専業主婦になれる可能性は19.6%です。
少数派ではありますが、決して実現不可能な数値ではありません。
男性が専業主夫になれる確率
男性が専業主夫になれる確率は、以下のように算出します。
結婚できる確率(1-生涯未婚率:75.6%)×専業主婦率(15-64歳平均値:0.7%)
あなたがこれから結婚して、64歳までに一時でも専業主夫になれる可能性は0.5%です。
女性とは違い、男性が専業主夫になるのは、非常に難しい!
専業主夫を求める女性と出会い、しかも彼女が満足する家事育児能力がなければ、実現不可能と言えるでしょう。
専業主婦率(主夫率)は年々減少傾向
今や共働きが当たり前の時代です。
女性が出産や育児で一時的に仕事から離れることは珍しくありませんが、長期間専業主婦をしている人は、全体の20%程度です。
男性が専業主夫を希望する場合、もっともっと困難になります。
性別問わず、働いている人が必ずしも「働きたい」と思っているとは限りません。
本当は専業主婦(主夫)でいたいけど、生活のために必要に迫られて働いている人も多いでしょう。
また、専業主婦(主夫)の夢を叶えたとしても、結婚生活を送っている内に「やっぱり働きたい」と思うかもしれません。
私は生活のためにwebライターをしていますが、割と楽しんで仕事をしています。
どのような考え方でも、自分の希望を実現したいなら、状況を把握し、計画を立てて考えながらの行動が必要です。
結婚は縁の力も大きく働きますが、「結婚して専業主婦(主夫)になりたい」と思うなら、実現できる相手と出会える場に足を運びながら、自分を磨いてくださいね。
1馬力で家庭を支えるには一定レベルの収入が必要です。
結婚相談所なら、最初から相手の年収がわかりますので、一度は検討してみましょう。